労働災害を防ぐ対策|建設・製造業に多い転倒事故や酸素欠乏症などについても解説

 

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仕事中における怪我や事故、病気の発生は、年々増加傾向にあります。厚生労働省が発表した、令和5年の労働災害発生状況では、休業4日以上の死傷者数が135,371人で、3年連続で増加しているという結果になりました。

引用元:厚生労働省

最悪の場合、従業員が死亡してしまう可能性もあり、企業側は労働災害への対策を強化するべきだと言えます。

この記事では、労働災害で最も多い内容や業種、労働災害を防止するためにやるべきことを解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

労働災害で最も多い内容は

厚生労働省が発表した令和5年の労働災害発生状況の調査では、1年間の業務中の災害で最も多い死亡事故が「転落・転倒」で、204人もの死亡者を出しているということが分かっています。また、休業4日以上の死傷者数で調査したところ、転倒事故」が最も多く、36,058人もの死傷者を出しています。

その他にも、「動作の反動・無理な動作」での死傷者数は22,053人、「はさまれ・巻き込まれ」での死傷者数が13,928人と、多くの労働災害を生んでいます。

引用元:厚生労働省

 

労働災害が最も多いのは建設業・製造業

労働災害の内容として、墜落や転倒事故が最も多いということで察しはつくかと思いますが、労働災害による死亡者が最も多い業種は建築業で223人という結果でした。休業4日以上の死傷者数に関しては、製造業が27,194人と最も多い結果でした。

以下の表にて、業種別で労働災害数をまとめています。

業種 死傷者数(人) 死亡者数(人)
製造業 27,194 138
建設業 14,414 223
陸上貨物運送事業 16,215 110
第三次産業 26,819 209

 

引用元:厚生労働省

 

酸素欠乏症・硫化水素中毒の労働災害について

労働災害_対策

転倒や転落などの労働災害に加えて、酸素欠乏症硫化水素中毒による労働災害は致死率が高いため非常に危険です。それぞれの概要や発生状況、対策を解説します。

酸素欠乏症とは

酸素欠乏症とは、酸素濃度が18%未満に低下した空気を吸入することで、体内に十分な酸素を送り込むことができなくなり発症する症状です。頻脈や精神障害、血圧上昇、けいれんなどの症状が現れて、酸素濃度が6%以下になると、意識不明の状態になり、呼吸停止や心肺停止に陥り、最悪の場合、死に至る可能性があります。トンネルや下水道などでの作業中に起こりやすく、木工事業や水道施設工事、管工事などを行う場合に起こる危険性があります。

硫化水素中毒とは

硫化水素中毒とは、一定濃度以上の硫化水素が人体に吸収されることで発生する中毒症状です。硫化水素とは、硫黄と水素が結合した化学物質で、腐卵臭を放つ化学性窒息性ガスです。10ppm未満の低濃度硫化水素を吸収した場合、頭痛やめまい、嗅覚麻痺、嘔吐、結膜炎・角膜炎などの症状が現れる可能性があり、100ppm以上の高濃度硫化水素を吸収した場合は、気管支炎・気管支肺炎・肺炎などに進行し、肺水腫の状態になりうる可能性があります。肺水腫になると、肺でのガス交換が不能になり、窒息の危険があります。

どんな時に酸素欠乏症や硫化水素中毒が起こる?

土木作業や建設作業中の土中などの換気不良が発生しやすい閉鎖的空間で酸素欠乏症が起こりやすく、また有機物の腐敗や微生物の呼吸によって発生する硫化水素を体内に取り込んでしまうことで、硫化水素中毒になるうる可能性があります。さらに硫化水素が発生しやすい現場は、空気中の酸素濃度が低下しやすいため、同時に酸素欠乏症を引き起こしてしまう恐れもあります。

これらの労働災害の発生件数は、下記表を参照ください。

1994年~1998年
酸素欠乏症
2019年~2023年
酸素欠乏症
1994年~1998年
硫化水素中毒
2019年~2023年
硫化水素中毒
発生件数 75 24 26 23
被災者数 120名 30名 45名 27名
死亡者数 49名 24名 9名 11名

 

引用元:厚生労働省

また、酸素欠乏症や硫化水素中毒になりやすい具体的な場所や状況を以下にまとめました。

  • 長期間使われていない井戸などの内部
  • 雨水や湧水が滞留、または滞留したことのある槽、暗渠、ピットマンホールなどの内部
  • 酵母で発酵するもの(酒・醤油・もろみなど)を入れたことがある醸造槽、タンク、むろなどの内部
  • 長期間密閉されていた鋼製タンク、船倉などの内部
  • 油性塗料で内部を塗装して間もない地下室やタンクなどの内部
  • 海水が滞留、または滞留したことのある熱交換器、暗渠、ピット、マンホールなどの内部
  • し尿、汚水など、腐敗しやすいものを入れたことのある水槽、暗渠、ピット、マンホールなどの内部

引用元:厚生労働省

約30年前と比較すると、発生率は減少傾向にありますが、酸素欠乏症や硫化水素中毒のなりやすい場所で作業を行う場合は、発生をなくすための準備や対策をすることが重要です。

酸素欠乏症や硫化水素中毒はどのように防ぐのか

酸素欠乏症の発生についても、製造業や建設業が多く、作業前に現場の酸素濃度等の測定を怠ったことによる事故が最も多かったようです。その他、換気ができていないことや、空気呼吸器をつけずに作業をしていたことから、酸素欠乏症の発生事故が起きています。

そのため、酸素濃度の測定や、空気呼吸器を使用して作業を行うことで、酸素欠乏による労働災害を防ぐことができます。また、万が一に備えて、酸欠危険場所で作業をする場合には、監視人の配置をすることで、緊急時に作業を中止し最悪の事態にならないよう適切な対処ができます。

硫化水素中毒の発生は、魚介類の腐敗が進行している場所や、し尿・汚水のある水槽やマンホールの内部などの場所が発生率が高く危険です。

こういった場所で作業を行う場合には、作業場所が事前に危険場所でないかを確認し、現場では硫化水素濃度や酸素濃度が作業をするのに問題がないか濃度測定をする必要があります。作業時には、外気を送風して換気を実施することや、エアラインマスクや空気呼吸器、呼吸保護具、保護メガネを使用して未然に事故を防ぐことが大切です。

 

労働災害を防止するために・・・

労働災害で最も多い転倒・転落事故や、酸素欠乏症・硫化水素中毒の発生を防ぐため、事前の準備や作業中に設置する安全器具や装置を用意することが大切です。そのため、危険場所で作業をおこなう可能性のある企業は、事務所や作業現場の見直しをして労働災害の発生を低下させる努力が必要です。具体的に以下のような対策があります。

足りていない安全器具や設備がないか確認

労働災害_対策

まずは、危険場所で作業をする際に必要な安全器具や設備を見直し、必要な器具や装置が足りているか、人数分あるかの確認をしましょう。必要に応じて、器具や設備の補充をして、作業時は必ず用意できるように、作業所の安全な場所で保管しましょう。

安全器具や設備を収納するスペースやロッカーなどの保管庫を設置

労働災害_対策

必要な安全器具や設備を保管しておく収納スペースをつくることで、労働災害を防止するための準備ができます。転倒を検知して周囲に知らせる転倒センサーや高所作業で欠かせない安全ロープ、酸素欠乏症や硫化水素中毒などを防ぐ空気呼吸器や測定器など、作業に必要な安全器具や設備を保管する場所が狭い、もしくはない場合には、収納ロッカーや保管庫を事務所に設置しましょう。

作業員の人数分の収納スペースを確保することで、防護服や安全靴など、作業員一人ひとりが身に着けるものを保管できるので、作業現場に行くまでの準備をしやすくなります。

滑りにくい床に変更する

労働災害_対策

作業所の床が滑りやすい材質を使用していると、転倒事故や、転倒でよろめいたときに機械や設備に体の一部が挟まれたり、巻き込まれてしまい、大事故になる可能性があります。そのような事故を未然に防ぐために、作業所や危険物を取り扱う場所の床は、滑りにくいゴム製のシートなどに張替えをすると良いでしょう。

危険場所の視認性を向上する

労働災害_対策

よくある労働災害として、大きな荷物を運ぶ作業中に、前方を見る視覚を奪われて、階段などの段差に躓いてしまい転倒してしまうケースや、床に荷物が置いていて躓いてしまうという事故のケースがあります。例えば、階段で大きなものを運ぶ際、階段の横幅が狭いと段差が見えづらく、転倒事故が起こりやすいですが、階段の横幅を広げることで、リスクを低減させることができます。他にも、危険物が設置されている場所には、注意喚起を促すサインを設置したり、簡単には手に触れられないように安全柵を取り付けるなど、危険場所への視認性を向上させることで労働災害対策に貢献できます。

安全管理の教育に力を入れる

労働災害_対策

危険場所における作業に従事する人は、改めて日々の安全管理の教育を受け、安全に作業をするための心得を学びなおす機会が必要です。このような事故が起こる理由として、安全器具や設備を準備せずに作業をしてしまったり、一瞬の油断や確認不足が大きく関わります。大事故になる前に、意識の見直しや、確認項目の再周知をするべきです。実際の労働災害事故を再現CGで映像化した、視覚的に分かりやすい労働災害対策のマニュアルや研修を実施する企業も多いようです。

引用元:ZIKOZERO

 

作業環境や意識を見直して労働災害を防止しよう

労働災害は、製造業や建設業などの現場作業で頻発していますが、未然に防ぐための準備や意識を変えることで、災害率を低減させることができます。まずは、安全管理に必要な対策や設備は何かを把握し、現状で足りていない安全器具や設備がないか見直しましょう。また、事故防止が可能な作業環境づくりや、現場で忘れずに安全器具や設備を利用できるように収納スペースの増設などを行い、作業環境の安全化を進めましょう。

私たち、大阪オフィス内装工事.comは、製造業や建設業などの事務所や作業所の見直しを促す、内装工事や設備工事なども対応しています。

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