ワークブースの「消防法」について詳しく解説
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オンライン会議の増加や、社内の会議室不足が問題として挙がる中、ワークブースを導入する企業は増加傾向にあります。ワークブースを導入するにあたり、消防法について確認しておく必要があります。
以前に、パーテーションの間仕切り工事で必要な消防法について、こちらの記事で解説していますが、今回は、ワークブースを導入する際に確認すべき消防法について詳しく解説しますので、これからワークブースの導入を検討する場合は、ぜひ参考にしてください。
消防法とは
消防法とは、火災の発生を予防するためだけでなく、発生後の被害を最小限に抑えることを目的に制定された法律です。ほとんどの建物には、消防設備の設置や点検などが義務付けられています。
消防法が制定されたときは、ワークブースは消防法の対象ではありませんでしたが、2007年~2008年に発生したカラオケボックスや個室ビデオ店の火災が大きく関係し、個室の対象となる場合には、消防設備を義務付けるよう2010年に改正されています。
消防法の対象となる「可動式ブース」とは
ワークブースには、さまざま種類があります。今回は、工事が必要なパーテーションなどで間仕切りするワークブースではなく、各オフィス家具メーカーが展開するワークブースの消防法の対象について、解説します。
ワークブースにはオープン型・セミクローズ型・クローズ型の3種類がありますが、すべてが消防法の対象になるわけではありません。オープン型やセミクローズ型は、完全に密閉された「個室」ではないため、対象にはなりません。クローズ型は天井や壁で完全に覆われて、防火対象物に固定されていないので、完全な「個室」の対象です。
こういった消防法の対象となるワークブースを「可動式ブース」と呼んでいます。
ワークブースに義務付けられた消防法
では、消防法の対象になるワークブースを導入する場合は、どのような設備を設置する必要があるのでしょうか。以下にて解説します。
消防設備・自動火災報知設備の設置
ワークブースには消火設備、もしくは自動火災報知設備の設置が必要です。消火設備とは、屋内消火栓設備・水蒸気消火設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・大型消火器など、延焼防止のための設備の総称を指します。
また、自動火災報知設備は、火災の発生を感知して、建物内の人々に警報を発して知らせる設備です。火災の初期段階で感知器が熱や煙などを感知し、受信機に火災信号を送信します。信号を受けた受信機が警報を発して、火災の発生区域を表示させる仕組みです。
スピーカーの設置
ワークブース内は、防音効果が高く、外部の音が聞こえにくくなっています。そのため、火災発生時の警報が、ワークブース内で聞こえない可能性があるため、逃げ遅れてしまう恐れがあります。そういったリスクが発生しないよう、消防法ではワークブース内にスピーカーの設置を義務づけています。
もしも消防法に違反した場合の罰則は?
消防法では、建物の管理者に対して、火災予防や防火対象物の管理における以下の内容を義務づけています。
- 防火管理者の選任
- 消防計画の作成
- 避難訓練の実施
- 消防設備の点検
- 火災予防に重大な支障を生ずるおそれのある物質の届け出 など
万が一、義務付けられた消防法に違反すると、罰則が科せられる可能性があります。消防設備の点検を怠った場合や、虚偽の申請をした場合は罰金または勾留の対象です。
また、消防法に違反したことが原因で火災が発生し、死傷者が出た場合は、1億円以下の罰金が科せられます。
このような罰則の対象とならないよう、ワークブースを設置する際は、消防法の義務を満たす必要があります。
消防設備の設置が不要なワークブースとは
クローズ型のワークブースであっても、消防設備が不要なケースがあります。以下の要件を満たしている場合に該当します。
床面積が6平方メートル以下のワークブース
ワークブースの床面積が6平方メートル以下であることが、消防設備の設置が不要になる要件の1つです。以前は、床面積3平方メートル以下が基準でしたが、2023年3月30日に「消防予第211号」が公表され、面積規模が拡大されました。多様な働き方が広がり、ワークブースのニーズが高まっていることから拡大されました。ワークブースの中には、複数人で利用できるタイプの大きさのものもあり、6平方メートル以上の床面積のものもあります。消防設備の設置を懸念する場合は、ワークブースの床面積を事前に確認しましょう。
天井と壁が不燃材料のワークブース
ワークブースの天井と壁が不燃材料で仕上げられていることも、消防設備の設置を不要になる要件の1つです。法律で規定されている不燃材料の定義とは、加熱開始後20分間、「燃えない」「壊れない」「ガスを出さない」という性能の材料です。
この定義を満たす材料は、コンクリート・れんが・繊維強化セメント板などがあり、不燃材料の認定をされたものには、「NM」や「NE」の認定番号が表示されています。消防設備の設置を懸念する場合は、ワークブースの天井と壁の材料もあわせて確認しましょう。
住宅用下方放出型自動消火装置が設置されたワークブース
消防設備の設置が不要になる要件の3つめは、ワークブースに住宅用下方放出型自動消火装置が設置されていることです。住宅用下方放出型自動消火装置は、火災が発生した場合に、感知から消火まで自動でおこなう装置のことを言います。また、消防法における住宅用下方放出型自動消火装置の設置基準も設けられています。その基準は、以下の通りです。
- 周囲に障害物がないこと
- 易燃性の可燃物が存し消火が困難と認められるものに該当しないこと
- 湿度が著しく高くなく、温度が0度以上40度以下であること
上記3点の「周囲の状況」を確認し、基準を満たす必要があります。
住宅用下方放出型自動消火装置の点検・維持管理ができている
住宅用下方放出型自動消火装置は、上記のワークブースの「周囲の状況」の設置基準に加えて、「外形」「表示」「同時放射区域」の点検項目を、パッケージ型自動消火設備Ⅱ型の点検基準に沿って点検する必要や、適切な維持管理する必要があります。
ワークブースの「外形」の点検基準は下記のとおりです。
- 変形や損傷がないこと
- 床または壁に堅固に固定されていること
- 扉の開閉が容易で確実にできること
目視と、扉の開閉を行い確認します。ワークブースの「表示」の点検基準は下記のとおりです。
- 表示などに損傷や脱落、汚損、不鮮明な部分がなく適正であること
- 総務大臣または消防庁長官が登録した登録認定機関の認定を受けて、当該基準に適合するものの場合、認定合格証が貼付されていること
「同時放射区域」の点検基準は、下記のとおりです。
- 同時放射区域の区画設定や用途、面積が適正であること
- 設備を共用する場合において、隣接する同時放射区域を共用していないこと
この基準を満たしているか点検をし、維持管理をする必要があります。
当該可動式ブース内に易燃性の可燃物が存在しない
住宅用下方放出型自動消火装置の設置基準でもありましたが、ブース内に易燃性の可燃物があると、火災が起きた場合に燃えやすいので、ブース内のソファや壁などの素材にも注意しなければいけません。易燃性の可燃物は、表面が合成皮革、クッション材がおもにポリウレタンで構成されたものを指します。また、易燃性の可燃物がない場合も、住宅用下方放出型自動消火装置では消化が困難だと判断された場合や、約800ミリ以上の座面正面幅のソファが設置されている場合は、消防設備の設置が必要なため要注意です。
個室ブース内の音圧が65デシベル以上になること
ワークブース内は、周辺の音が聞こえづらく、火災が発生したときに警報音が聞こえない可能性があります。そのため、消防設備の設置を不要にする要件には、ワークブース内の音圧が65デシベル以上になることが基準として設けられています。
建物内の放送設備から発する警報音がワークブース内で問題なく聞こえる音圧の基準が設けられており、この基準を満たす必要があります。
引用元:総務省消防庁 可動式ブースに係る消防用設備等の取扱いについて
ワークブースの特例申請
ワークブースを設置する上で特例を受ける場合、管轄の消防署に申請書類の提出をする必要があります。まずは、特例申請ができるかどうか判断する必要があります。
特例申請ができる条件には、ワークブースを高層階または地下に設置するか、それ以外の場合には、フロアにスプリンクラーが設置されている必要があります。
上記2点に該当しない場合は、特例申請の対象外となり、自動火災報知機の後付けが必要になります。ただし、特例申請の有無は地域によって異なることもあるため、詳細は消防署への確認が必要です。
ワークブースにおける消防法を知り快適なオフィス空間をつくろう
ワークブースを導入する上で、消防法で義務づけられた対応をする必要があります。特例で免除される場合にも、細かい確認や申請手続きが必要なケースもあり、面倒でややこしいと感じる人も多いでしょう。
私たち、大阪オフィス内装工事.comでは、管轄の消防署への確認や申請の手続きの代行対応もしております。また、必要な消防設備の確認や、特例対象の確認なども対応しています。
「自社にワークブースを設置する場合、消防設備の設置は必要?」
「申請手続きはどのようにしたらいいの?」
ワークブースの導入を検討されて、このような疑問がある場合は、お気軽にご相談ください。
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